無人島に集められた7人の証人による証言の矛盾を材料にして、十津川警部は真相という名のパズルを解いていく

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十津川警部といえば、渡瀬恒彦と伊東四朗の名コンビが有名よね。あの最後に流れるBGMの悲しさがなんともいえない余韻を残す、2時間ドラマの金字塔、それが十津川警部。

そんな私でも7人の証人はドラマで見たことがなかったのよ。内容知らないからワクワクして読んだんだけど、これがまたドンピシャ、控えめに言っても凄く面白く、大げさにいうと地球に生まれてよかったって感じ。織田裕二さんも同じ事いってくれると思うわよ。

ドラマ化できなかった理由だけど、この作品はクローズドサークルものなのよね。だから社会派ミステリーの十津川警部の中では異色の作品といってもいいかもしれない。

2時間ドラマの場合、あっと驚くトリックよりもむしろリアリティが重要視されるのよ。だからクローズドサークルものにありがちな、無人島に面識のない男女が集められて、次から次へと殺されていくって流れは、現実感がなくて違和感があるのかもしれないわ。

まぁそんな小賢しい理屈じゃなくて、単純に亀さんがいないからかもしれないけどもね。

ある事件の誤審を納得いかない遺族が、真相を知るために大がかりな舞台を整えたわけだけど、そんなことできないだろ?というのはなしにしましょう。ミステリー小説にそこらへんの突っ込みは無粋。

事件解決のために少年名探偵が喋ってるのを登場人物みんなスルーするように、ミステリーの読者はミステリーのお約束を守って楽しむのがルール。ルールを守るからクローズドサークルものを楽しめるってわけ。

物語だけど、7人の証人の矛盾や記憶の掘り起こしにより事件の全貌が少しづつ解けていく。12人の怒れる男で有名なこの手法は、読者もまるでその場に居合わせたかのような緊張感を覚え、夢中でページを読み進めてしまう麻薬的手法。

もっとこの手法の作品がポピュラーになればいいんだけど、少ないのは推測するに構成が難しいのでしょう。各々の事情や心理描写を克明に書かないと、途端に陳腐な作品となるのが目に見えているからね。

本格ミステリーの核である謎もたった数秒の出来事を、疑問に思い再現することで、実験していくシーンなどロジックの面でも圧巻。

十津川さんは犯人をほぼ特定できたが、最後まで犯人と被害者との関係が分からず、動機が掴めない。

それを○○が関係するのではないかと当たりをつけ、尋問してみたところ、相手の態度がおかしかったので、詰めてみたら、ついに犯人は覚悟をして自供する。

これなのよこれ。優れた探偵は犯人とのやりとりで事件の全貌を掴むのよ。安楽椅子探偵もいいけど、やはり私は現場のたたき上げみたいな探偵が好きだわ。

この小説だけど、クローズドサークルものが好きな人には文句なくオススメできるわね。十津川警部のドラマを見ていた人も、渡瀬恒彦が脳内で喋ってるのが容易に再現できるから、物語に没頭しやすいと思うわ。

殺しの双曲線も名作だったけど、私は7人の証人のほうが好きね。やはり無人島に集められるシチュエーションは何度みてもワクワクするわ。

というわけで気になった方は是非見てね。

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