シンデレラは聖女か悪女か、いったい物語の黒幕は誰だったのか

童話

最も有名な童話の一つであるシンデレラ。継母とその娘に虐げられてきた薄幸の少女が王子様をゲットをして、幸せになるまさに王道的ストーリー。

シンデレラは絵本、アニメ、映画など様々な媒体で作品化されているわけだけど、この記事ではグリム童話のシンデレラを取り上げます。果たして彼女は聖女か悪女か。何故シンデレラは奇跡を起こすことが出来たのか。

亡くなった母親の執念がシンデレラを幸せにした。そして……

グリム童話のシンデレラの願いを叶えるのは魔法使いではなく、鳥達なのよね。ここの経緯が面白くて、シンデレラは父親の旅のお土産に枝をねだるのよ。その枝を亡くなった母親の墓に植えたら立派な木になったのね。

枝植えたら木になるのかって思っちゃうけど、シンデレラの世界ではそうなのよ。広い世の中、枝から木になる植物があるかもしれないしね。

問題はなんのためにシンデレラはそんなことをしたのかってとこだけど、グリム童話ではシンデレラが枝を植えた動機について語っていないのよ。ただ前後の脈絡を考えるとシンデレラは何かを知っていたと考えるほうが自然でしょう。

どこの世界に折った枝を母親の墓に植える女の子がいるの?いないでしょう?よって彼女は何かを知っていたと考えるのが妥当である。

父親から貰った枝は木になり、そこでお祈りをすると鳥たちが彼女の望んだものを落とすようになるのだけど、こんなの偶然なわけないじゃない。

おそらくだけど、亡くなった母親の執念……母親は天国から見ていたのよ。自分の夫が新しい女に腑抜けにされて、自分の娘が女中扱いされている姿を……

憤怒という言葉では足りない感情がシンデレラの母親を支配したことは想像に難くなく、それでも肉体がなくなった彼女は直接的に現世に手を出すことは出来なかった。

おそらく……シンデレラの夢に出て、お父様に頼んで枝を折ってきてもらい、私の墓に植えなさいといったのでしょう。

何故お父様に頼まなければならなかったのか?シンデレラが自分で折った枝では駄目だったのでしょう。自分達を裏切った男が折った枝だからこそ意味があった、そう考えるしかないわ。

シンデレラはこの時点で途方もない力を得た。作中で鳥達にシンデレラがお願いした事。

1 レンズ豆を拾い集める事
2 金銀のドレスと銀で刺繍された靴

ただ時間的な制約があるらしく、ご存じのようにパーティー中でも帰らなければいけなくなるのは魔法使いが出てくるシンデレラの物語と同じ。

制約があるとはいえ圧倒的な力を得たことは間違いなく、彼女の持って生まれた美貌と会わせるとまさに鬼に金棒状態。あっというまに王子様を惚れさせてしまうのよね。

シンデレラは王女様になりたかったのか?

グリム童話では祝祭のパーティーが3日続いており、シンデレラは3回王子様と踊ってるのよ。二度あることは三度ある、三度目の正直、三顧の礼……三にまつわる言葉はたくさんあるわね……シンデレラは確実に王子をゲットするために三回通い詰めた……と言いたいところだけどさにあらず。

有名な靴が脱げたシーンだけど、ここに彼女の作為はなかったのよ。というのも王子様が逃げることを予見して、階段にピッチを塗っておいたので靴がくっついたのね。

ただこの状況を利用した形跡が彼女にあるのも事実。姉の一人はこの靴をはくために親指を切り落とすのよ、母親がいうには、お后になったらもう歩かなくていいからって事だけど、普通に歩くわよね?まぁ母親は娘をお后にしたいからその場のノリで騙したんでしょうね。

そしてここから○○の逆襲が始まる。王子と姉を乗せた馬車は、シンデレラの母親の墓を通りすぎた同時に木の上にいた鳩が喋る。

「振り向いて覗いてごらん、振り向いて、覗いてごらん、靴の中に血があるよ、その娘には靴が小さすぎる、本当の花嫁はあなたを待っているよ」

姉2も挑戦するのだけど、かかとを切り落とした以外は姉1と同じエピソード。そして王子様は他に娘はいないのですか?と言うのよね。

そこで父親は「はい、おりませんです。まだ亡くなった妻が残していった少し風変わりな台所女中はいますが、花嫁とはとんでもございません」というのだけど、この時点で父親の中でも女中になっていたのね、やるせないわ。

シンデレラが王女様になりたかったかどうかだけど、いまいち分からない。素直に読むと年頃の娘らしく、舞踏会に参加しただけだっただけのようにみえる、王子様はそれについてきたおまけというか、商店街のくじひいたら一等賞だったみたいな。ここらへんはまだまだ考察しがいがあるわね。

そして誰もが知っているハッピーエンド。靴は見事にぴったり合い、見事シンデレラは王子様と結婚することになる。しかしここで物語は終わらなかった……

目が見えなくなった二人の姉、犯人は誰か?

エピローグは、おこぼれを貰おうとシンデレラの結婚式に参加した姉達が……

鳩に両目をえぐり出されて失明する
さらっと書いてるけど、恐ろしい出来事ね。こんな鳩が現実にのさばっていたら、公園の鳩やりおじさんは法改正で懲役くらってムショにぶちこまれるでしょう。

興味深いのは二人は罰せられたということ。つまり鳩がいきなりウィルスで凶暴化して手当たり次第人間を襲った結果ではないということね。

何者かの意思が働いている

彼女達の罪として考えられるのが二つ。

1 シンデレラをいじめぬいたこと
2 ブスなのに身の程知らずにも王子様の嫁になろうとしたこと

この二つが考えられるわけだけど、作中でこの二人の姉は綺麗な顔をしていると明言されているから、2はない。必然的に罰せられた理由は1ということになる。

それじゃ誰が罰したのかという点だけど、該当する者は4人

1 シンデレラ
2 シンデレラの母
3 
4 王子様

まず3だけど、血が繋がっていない妹をいじめぬく行為は確かにヘビーだけど、この時代このくらいの案件で神は動かないでしょう、もっと反吐が出るような悪人がいっぱいいるでしょうし、神が絶対に悪を許さない正義マンだったとしてもさすがに手が回らないはずだわ。

4の王子様だけど、動機はあるのよね。自分を騙そうとした罪、嫁をいじめた罪。ただ王子様がその気になれば人を使えばいいのであって、鳥に頼ることはないのよ。ということは残ったのは二人。

シンデレラだけど彼女が積極的に行動したのは舞踏会に綺麗な服装で参加するという一点のみであり、それ以外は特に目立った行動をしていない。その舞踏会も最後まで継母に許可を得る努力をしている。

膨大な力を得た彼女は継母の許可は物理的には必要としていなかった。ここから見えてくるのはお人好しで気が弱い女性であるということ。なるべく人と争わずに生きたいタイプなのかもしれない。

王子様が来訪したときも、渋る父親と母親を押し切ったのは王子その人であり、シンデレラが自分から出て行くことはしなかった。ここから彼女が王子とどうしても絶対に確実に死んでも結婚したいという意思は感じられないのよね。成り行き上というか……まぁ今の生活よりはるかにましだしぐらいは考えていたんでしょうけど。ただこのシンデレラから姉二人の目をえぐりとろうとする気迫がどうしても感じられないのよ、どう見てもあまあまこちゃんにしか思えない。

となると動機と気迫と能力を兼ね備えたシンデレラの母親ということになる。シンデレラは鳥たちにお願いして望みを叶えるわけだけど、母親が叶えていたのではないのかしら。そして物語の後半独自に動き出した。娘を王子様の嫁にするために、そして憎き者への復讐。

王子と姉が馬車で道を走っていたとき、二人は墓の所を通り過ぎなければいけませんでした。
この一文が真犯人を教えてくれているわ。

目をえぐるというのは考えてみれば命をとるより恐ろしい事なのかもしれない。残された父親と母親は彼女達を生涯面倒を見なければならない。現代みたいに社会福祉は充実してなかったでしょうし……まぁこの時代のヨーロッパについて詳しくないしなんともいえないけども。

ただ私の主観だと、おまえ達は殺して終わりなんて生ぬるいことでは終わらせないという殺意がビシビシ伝わってくるわ。作中には書いてないけど継母と父親は手足を鳥たちに食べられていたかもしれないわね。カラスと鳩がこれが本当の鳥葬でんがな!っていいながらむしゃぼっていた可能性もある。可能性があるって便利な言葉よね、0%じゃない限り使える魔法の言葉だわさ。

シンデレラは普通の少女なんじゃないかしら

今回記事書くためにグリム童話を3回再読したけど、シンデレラって普通の少女にしか見えなかったわ。聖女でも悪女でもない。

ただ気が弱く、その場の空気に流されて生きてきた女の子。とはいえ圧倒的な美貌が彼女にはあるので、シンデレラストーリーなるものは美女以外望んじゃいけないとも教えてくれるわ。

シンデレラが姉達に復讐をした証拠が作中に残っていれば面白かったのだけどね。姉達が実は潔白で狡猾なシンデレラにはめられた二次創作もみたいものだわ。後味がどうしょうもなく悪い奴ね。

以上シンデレラの感想でした。

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